【写真集】ゼロから手作り・梅干しができるまで
2021年は俺にとって「梅」の年になった。というのも梅干しの手作りに手間暇かけたのだ。一口に「手作り」と言っても色んなレベルがあるが、なにしろここからスタートしたからな。大変だったけど素晴らしい経験になったので書いておきます。
収穫
4月。色々あって俺は鹿児島にいた。といっても珍しいことではない。産まれた土地であり、今でも親族が何人も住んでいる鹿児島は故郷だ。そこで親族の中でも特に交流のある叔母さんから「来月には梅がなってねえ、収穫手伝ってくれるかい?」と伝えられた。もちろんOKだ。
で、5月。再び鹿児島に飛んだ。今年は梅雨入りが早く、滞在中は晴れ間が少なかった。しかし予定していた「ウチの山」に行く日は申し分ない天候であった。
鹿児島では「親族が山(の土地)を持っている」ということが特に多いらしく、我が家も例に漏れなかったようだ。幼少期から何度も行っている山に入らせてもらうと、そこには育てているのか勝手に生えてくるのかもよく分からない梅の木が実をぶらさげていた。それはもうたわわであった。
聞いた話だと、1年おきによく成る年とあまり成らない年があるらしい。今年はよく成る年だったようで、それはもう大量に実っていた。
個体差あるが1個1個もでかい。
で、木の下にビニールシートを敷き、この木を長い棒でバシバシ叩くと梅の実が落ちる。これを回収することで実を収穫するというのが我が家のやり方だ。絶対傷がつくんで専門業者はやらんだろうけどな。
叩いて拾って雑草や虫を取り除き、車に運ぶので既に重労働だ。地元の温泉で一旦セーブする。
こうしてこれだけ梅の実が収穫できるわけだ。
親族に分配して、宅配便で各家庭に送る。自分の家にはこれだけ分けてもらった。
総計3.3kg。さあ大変なのはここからだ。
一次仕込み
梅干しには梅1.3kgを使うことにした。レシピによると梅の質量に対して塩が18%必要とのことで、梅に対して塩234gを投入した。塩234gってとんでもねえな。まあ1kg100円で売ってた安い塩だけども。
ちなみに残り2kgの梅は梅酒にした。これはこれで楽しみだ。
梅干し・梅酒共に、まず梅のヘタを爪楊枝で取り除く作業が必要になる。数時間かけてヘタを取り除いた梅を、234gの塩とともにホームセンターで買った漬物用容器に突っ込む。
梅干しの方は、重しを乗せて5日ぐらい放っておくとこうなる。
水は加えていない。液体は梅の果汁と塩が染み出した「白梅酢」だ。なめると強烈に酸っぱくて塩っぱくて一発で目が覚める。強烈な農産物なんだな、梅って。
さて、ここまで浸かると次の段階だ。
二次仕込み
近所のスーパーで梅干しに必須のコレを購入した。売ってるもんなんだな。今まで気付かなかったよ。
これを「アク抜き」する。大量の塩と共に揉み、濃い色の液体が染み出すのでそれを捨て、さらに塩を加えて揉むという作業を繰り返す。最終的にここまで萎む。
この時点で最初に梅をつけてから大体1週間ぐらい。これをさっきの漬物容器に入れて軽く混ぜる。漬け汁(白梅酢)が瞬時に鮮やかに染まるのが楽しい。きっと紫蘇の色素と梅の酸が反応したんだろう。
こうするとあとは待つだけだ。それこそ「梅雨」が明けるまで。実践してみて初めて分かる「梅雨」の語源。
梅が浸かりきるまで、推しのライブに行ったり
名古屋に遠征したりした。
干し
7月下旬。時は経ち、梅雨が明けた。何日も晴天続きの炎天下だ。梅の実はいい感じに浸かっていた。
もちろんこのまま食べられる。ただ水分が多いので日持ちとか色々違ってくるんだと思う(詳しくは知らん)。ここで食材用乾燥ネットの出番だ。
天気予報を確認し、炎天下の中で3日ほど屋外に出しっぱなしにする。これでいい感じに仕上がるわけだ。
完成!
仕上がったのがこれだ。 めっっっっちゃ塩っぱい 。そしてイメージ通りの梅干しの味!本当に作れるんだな、梅干しって!
ちなみに一緒に漬けた紫蘇の葉もいい感じだ。これをもっと細かくすると「ゆかり」になるはず。
そのまま食べてもいいけど刺激が強すぎるし多分健康にもよくない。ご飯と混ぜたり、他の料理に調味料的に使うのが適材適所かな。クエン酸豊富なので酒と合わせると悪酔いの確率減らせるかも。
あと個人的にヒットだったのが魚(缶詰)と米で作る炊き込みご飯。いい感じにアクセントになるし、ウメボシも添えて栄養バランスもいい。
まだまだ大量にあるんで、今年の俺の食事は「梅干しをいかにうまく使うか」が最大のテーマになりそうだ。梅が食文化の中心という伝統的な日本人の食事をどうやら再現したようだ。頑張ります。