職業選択の自由

職業を選択するまでの過程。

DJイベント #フロボカ 主催しました。そして、今後もします

去る2023年3月4日、都内にてDJイベント「from VOCALOID」が開催された。自分にとってオーガナイザーデビューの場であり、また自分の趣味を思いっきり活かせた最高のイベントになった。関係者の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。素晴らしいDJ・VJパフォーマンスと素敵な会場、本当にありがとうございました。

DJイベントのオーガナイズは自分にとって初めての経験であり、無事に終わったものの反省点も多かったのでまとめておく。この記事読めば大丈夫だから、みんな軽率にオーガナイザーになっていこうぜ。

構想から告知まで

イベントコンセプトを決める

とは言ったものの、はっきり言って現代はイベント飽和状態だ。東京都心部なら毎日何かしらのイベントが開かれていると言っても過言ではない。そんな中、「なぜ自分がイベントをやるのか」ということははっきりさせておく必要がある。

今回、1人のVocaloidファンとして「ボカロP書き下ろし曲」にスポットを当てた企画を提案させていただいた。おかげさまでDJの皆様にご協力いただき、また自分としても非常に刺さるイベントにできた。「こういうイベントが見たいのに今はない」という思いは強力な原動力になる。自信持っていこう。

DJ未経験でも主催はできる?

自分は結構どうにかなった。ただ、DJ文化に理解があること、そもそも出演依頼に応えてくれるDJ/VJとの縁がある必要はある。出演者との連絡・調整やフライヤー作成などの事務的スキルは必須。

会場を決める

会場で使わせていただいたMeguro Sounda Base

会場決めは最初にして最大の難関と言っていい。行ったことのある会場から選んでもいいし、インターネットで検索してもいい。しかし経験上、すぐに思いつくような箱は人気が高く条件面でも厳しい場合が多いため、初心者の初チャレンジの場として適切かというと微妙なところだ。

ではどうすればいいかというと、「人に聞く」これが意外と強力だったりする。イベント参加や雑談の折に、周りのDJや参加者に「いい箱知りませんかね」と話しかけたり、あるいは会場の運営者に直接相談してもいい。「⚪︎⚪︎さんの知り合いなら」と、いい条件で利用できる可能性もある。勇気を出してコミュニケーションを取ろう。

また、無事に会場を決められたら、本番までに一度は現地に実際に訪問することをおすすめする。会場の広さや雰囲気、音響・映像機材などを確認するのはやはり現地に向かうのが一番早い。会場責任者と直接会話することで得られるものも多いだろう。

日程調整

日程は構想時点から3〜4ヶ月程度先にしておくことをおすすめする。会場やDJによっては、そのぐらいの日程は結構埋まっているものだ。また、いきなり特定の1日に決めるのではなく、会場と出演者の都合のいい日程を2〜3個聞き出しておくと調整が効かせられる。一方で何かの記念日など、日程自体が意味を持つ場合は日程最優先でイベントを進めるという方法もあり得る。

なお、どうしても付きまとうのがイベント被りだ。これに関しては、もうイベント自体があまりにも多いので、全てを回避するのは不可能だと割り切るしかない。ただ、イベントのターゲットとする客層に対し、あまりにも重要度が高い他のイベントは最低限避けるべきだろう。例えばVocaloid系のイベントをマジカルミライと同じ日に開催するのは得策ではない、といった具合に。

出演者へのオファー・調整

インターネット経由のDJ・VJへのオファーはTwitterのDMが最も一般的かと思われるが、他のSNSだったり電子メールだったりする場合もある。プロフィールをよく確認して適切な手段で連絡を取ろう。また、直接会って交渉したり、別のイベントでたまたま会った人と話が盛り上がって出演が決まることもしばしば。ただ、こういう場合でもDMなりで証跡を残しておこう。

出演依頼の際には、会場・日程・出演条件(選曲レギュレーション、出演時間、謝礼など)を記載したイベント概要を送る必要がある。今回はGoogle Documentsで書類を作成し、DMではそのURLを送る方式とした。結構便利だったので今後も使うと思う。

ある程度出演者が集まったらグループに対して連絡を取る必要が出てくる。この手段としては Discord をお勧めする。基本無料で使えるし機能も豊富だ。筆者は3月のイベントの際、最後までTwitterグループDM を使っていたのだが、こういう目的としては不便な点が多々あり迷惑をかけてしまった。

  • グループからメンバーの削除ができない。何らかの理由で出演辞退者が出た場合、新規にグループを作成するしかない。
  • グループに対して名前が付けられない。どのグループが適切な送信先か分かりづらい。
  • 過去のメッセージに対する検索ができない。

なお、出演順 (タイムテーブル) はこの時点では決めなくていい、というかある程度当日が近づいてからの方がいい。これについては後述。

フライヤー作成

イベントフライヤーには以下の情報を載せ、さらに見やすいデザインで作るべき。ビジュアルのセンスが問われる場面だが、イベントの顔でもあるので頑張ろう。

  • イベント名 (+ 略称、ハッシュタグ)
  • 出演者一覧
  • 会場
  • 日時
  • チケット代
  • (イベントページQRコード… あると便利)
  • (イラストクレジット… 必要に応じて)

イベントページ作成

イベントページのプラットフォームとしては TwiPlaTwinvite がよく使われる。オンライン前売りチケットを運用したいなら Yahoo! JAPAN 系列の PassMarket が個人でも比較的利用しやすい。

イベントページには、フライヤーに載せているイベント情報に加えて詳細なイベントコンセプト、出演者プロフィールと関連リンク、参加者に向けての注意事項を載せる。このあたりは他のイベントページを参考にするといい。何より、ページを見たお客さんに「来たい」と思わせることが大事だ。

告知から当日まで

告知・広報

告知の前に、事前に告知内容(イベントページにまとまっていることが望ましい)を出演者・関係者に共有した上で「⚪︎月⚪︎日の⚪︎時頃に一般告知する」と伝えておく。場合によっては「思っていた内容と違う」「日程をよく確認したらダメな日だった」ということもあり得るので、事前確認は念入りに。了解が取れて予定時刻になったら、あとはTwitterなりなんなりに書き込むだけだ。

告知後はなるべく多くのお客さんに来てもらえるよう、SNSで宣伝したり、他のイベントに行って話題に出したりと広報活動を行う。ただやりすぎると印象が悪くなるので、バランス感覚は大事に。ちなみに非DJでオーガナイザーになったことの一番のデメリットはここかな… DJ・VJだとイベントの最後に他のイベント(主に自身が出演するもの)を宣伝できる場合が多いが、こればかりはステージに立つ人間の特権だ。

タイムテーブル作成

DJの中には当日不都合な時間帯があるケース (他のイベントとの掛け持ちなど) もしばしばある。タイムテーブルを作成する際は個別に出演条件をよく確認しておく。また、タイムテーブル作成後もいきなり告知するのではなく、これも事前に確認を取るべき。また、出演順の中でもオープン (1番目) とトリ (最後) は特別なので、個人的には事前に個別に確認を取ることにしている。

こういう事情があるので、タイムテーブル作成はイベント決定直後ではなく、もう少し時間が経ってある程度DJ陣の予定が決まってきてからの方が望ましい。他のイベント見てると意外とギリギリだったりイベント前日だったりするが、あんまり直前すぎるのも参加者にとっては不便だ。イベントの2〜3週間ぐらい前がひとつの目安ではないかと思っている。

臨時対応

ここまでできたら基本的にあとは本番を待つのみだが、しばしば出演者や会場に緊急の事情が発生する場合がある。3月のイベントでDJの1人が事情により出演できなくなった際には、他のDJとも相談の上でB2B枠 (2人以上のDJが即興で選曲し合うパフォーマンス) とすることでイベントを確保した。また出演内容に変更があった際はフライヤーやイベントページの更新も必要になる。慌てることなく、関係者と相談して乗り切ろう。

当日すること

イベント開始後の会場の様子

会場での仕事

いよいよ当日だ。少なくともタイムテーブルは会場に表示する必要があるので、事前にプリントアウトしたタイムテーブル (会場の広さに応じて5枚前後) とセロテープを用意する。他は特別な物はなくとも最低限イベントの進行はできる。

また、事前に会場側に関係者入場時間を確認しておく。出演者の案内や後述の入場者管理に関して、会場の責任者から説明を受けておくべき。またこの時間にフライヤーやタイムテーブルを準備する。

イベント開始後は、来場者の案内やチケット販売(場合による)などを必要に応じて行う。来場者への自己紹介も行うとより印象が良くなるだろう。イベントを参加者として楽しんでもいいが、あまりに盛り上がりすぎて運営が適当にならないように(自分への反省)。無事にイベントを最後まで進めるのが最優先である。

会計管理

会場利用料の支払い方法やタイミングおよびバック条件 (売上金額の一部を主催者に還元する制度)は、トラブルとならないよう会場側によく確認する。この前のイベントだと、基本利用料とバック金額の差額をイベント終了後に後払いする制度だった(この内容を最後に書いてのはこのため)が、全ての会場がこの方式とは限らない。お互いにとって「イベントを開いてよかった」と思えるよう、最後まで主催者の義務を果たそう。

おわりに

この機会は出演者へのオファー、会場の手配、イベントの宣伝など、初めての仕事ばかりでいい経験となった。開催してよかったのは冒頭に書いた通り、準備の苦労が全て吹き飛ぶレベルで最高だった。ただ主に事前準備の方法で反省点も多かったので、この反省は次回に活かしたい。

次回?そう次回がある。

こんな楽しいイベント何回でも見たいし、せっかく主催者のノウハウを勉強したんだ、活かさない手はない。次回 #フロボカ vol.2は 6/10 (土) 秋葉原雷神3Fにて開催予定!参加表明すると¥500オフ!ということで参加表明とご来場を本当にお願いします 🙏🏻🙇‍♂️

ボカロP楽曲オールジャンルDJイベント "from VOCALOID" #フロボカ 2023/6/10(土) 秋葉原雷神 - TwiPla