職業選択の自由

職業を選択するまでの過程。

面接3社目: 今まで何をしてきたの?

1社目、2社目をすっ飛ばして3社目の面接を書いたのには理由がある。記憶が新鮮なうちに記事にしておきたかったのと、結果からして今後に最も残りそうな内容だからだ。

  • 3社目: F社
  • 金融システムを扱うWeb系ベンチャー企業
  • 結果: 合格

三度目の正直である。この日から「面接全敗」状態から脱したわけだ。今の会社での残り勤務期間が、一気に短く感じた。

この日は色々と好条件が重なった。まず会社は運良く有給休暇が取れたため、ゆっくり体を休めることができた。さらに直前にエージェントの面談を受けられたので、現状の悩みや面接のコツまで相談できた。「今後F社の面接なんです」とも正直に言った(「採用ハードルが高い」とのいらん情報もあったが…)。面接に至るまで(向かう電車の中)ほぼ瞑想状態でイメージトレーニングできた。リラックスして面接に臨むと言葉につまることもなかった。

内容を振り返っていく。

Q. Seleniumの導入実績について詳しく
1問目から具体的な出来事の質問が来た。職務経歴書でも特にアピールしている鉄板ネタなので、導入のきっかけから工夫した点、苦労した点、導入した結果を順を追って説明した。それにしても、最初にこの質問が来るのは予想外だった。

Q. 当社を志望した理由
これはどの会社でも必ず聞かれるため、前もってイメージしておいた内容をスムーズに答えられた。とはいえ、今思うと具体的に質問が来たというより、自然と話題がこの内容に移ったという印象がある。 「会計ソフトという既に強力な競合相手がいる中で、クラウドを使って新しいサービスを提供した点が非常に挑戦的であること、かつ事業を成功させて急成長している点に実力を感じました」みたいな内容を回答。「ありがとうございます」との返事。

Q. スクラムカンバン方式などタスク管理の工夫について詳しく
「そういや経歴書に書いたな」くらいの内容だったので準備がなく、思い出しながら答えた。書籍や研修やネットで基礎知識を身につけたこと、チームの状況に合わせて試行錯誤しながらカスタマイズしたこと、結果としてメンバーが抱えるタスクの均一化につながったこと、などと回答。この面接官、経歴書をかなり重視している。「いいですね〜」と好意的な反応が返ってきたので、結構アピールできたと思う。

Q. こちらに聞いておきたいことは
これはもういつもの内容である。

  • 「技術以外に働きやすさや雰囲気作りで取り組んでいることは」
  • →自由な雰囲気作り、メンバー間のコミュニケーションなど
  • 「入社してからのフォロー制度や、少なくともお互い教え合っていく土壌はあるか」
  • →技術は共有するもので、会話や社内SNSでの交流は盛ん。また、勤務時間外で自習する余裕もある
  • 「今の会社だとだんだんマネジメントにシフトしていくキャリアパスとなっているが、ここは希望すれば長くコードを書いていられるか」
  • →プログラミングよりマネジメントを主に担当する立場の社員はいるが、それを希望しない人に無理にやらせることはない

大体この程度質問すれば内容的にも時間的にもいい感じになる。

面接官はいい雰囲気の人で、終始笑顔であった。面接というより、会話の中から相手を引き出す印象があった。また、最初の質問のチョイスからして「今の会社で具体的にどういう実績を積んだか」を最も重視しているようだった。最後には軽く雑談を挟みながら会場を去った。 あとで調べたことだが、この会社は「様々な背景を持つ人が集まって価値を作り出す」ことに重きを置いているようだ。そのため、中には入社時点でプログラミングの経験がほとんどなかった人もいるという。その分、その人には強力なバックグラウンドがあり、入社してから急成長した「伝説の社員」でもある。

返事は意外に早く、翌日夜に合格と二次面接の連絡が来た。転職活動始まって以来の快挙だ、個人的に。具体的な知識より、その人の軸にしている意思、及びそれが具体化したエピソードを重視する採用方針が、自分のストーリーとうまく重なったのだろう。 会社でメールを受け取ったが、その瞬間に社内の景色が違って見えた。確かに、内定通知ではない以上まだまだ油断はできない。しかし、これはもうすぐ、過去の物になる。